2010年04月23日

感想@アニメ「おおきく振りかぶって〜夏の大会編〜 」第4話:野球シンドイ*ネタバレあり

アニメ「おおきく振りかぶって〜夏の大会編〜」の感想です。
(セカンドシーズン)
今回は第4話「野球シンドイ」です。


私は原作(月刊アフタヌーンでの連載漫画)の感想も書いています。
おおきく振りかぶって:アフタヌーン感想
よって、以下の記述において
アニメ化・単行本化されてない部分のネタバレが多々あります。


前回の感想はこちら。
第3話:3回戦

アニメ版「おお振り」の感想記事のURLは
カテゴリで分けている他、第一期も含めて
こちらの目次(インデックス)ページでまとめています。
アニメ感想記事 一覧:おおきく振りかぶって────

引き続き、3回戦の対崎玉戦です。
私はこちら“おお振り”のファンですので、
試合の描写が続いていても、楽しいですが、
それほどでない視聴者には
見ていて飽きた部分があったかもしれません。



さて、今回は、
ミスをした部員に甘いタイさんと、
イッチャン先輩の口論がありました。
いえ、口論というより、
イッチャン先輩の苦言というべきかもしれません。

今回、作中でイッチャン先輩たちが話していたように、
この崎玉野球部の三年生は、タイさんだけなんですよね。
で、タイさん自身のモノローグから、過去に、
他の部員に辞められたせいで辛い思いをした事情が伺えました。
ご存知のように、野球は九人いないと試合ができませんし、
公式戦にも出場できませんから、
タイさんが他の部員に対して
腫れ物に触るような言動で優しくしてきたのは
仕方ない事だったかもしれません。
「いいよいいよ、しょーがない」との言葉が口癖になるほど
タイさんは野球部を存続させたかったのでしょうし、
皆で野球をしたかったのだと、よく分かります。
とにかく、部員のやる気を損ねる事が
タイさんにとって一番怖い事だったんでしょう。
でも、イッチャン先輩のように
「本気で野球をやりたい」「試合に勝ちたい」と思った部員には、
タイさんの甘さは鼻についたはずです。

人間は褒められて伸びる場合が多いので
(特に近頃の若者は打たれ弱いとされていますので)
叱るだけが指導ではないですが、
逆に、上級生が下級生をきちんと叱るのを怠ると
崎玉のように、気持ちが弛んでしまう事がよくあります。
また、おそらく、今年の三月までの崎玉野球部だったら、
イッチャン先輩もタイさんに向かって
ここまで言う事は無かったでしょう。
でも、四月にスタープレイヤー候補である大地くんが
新入生としてこの野球部に加入したのを機に、
試合で勝てる喜びを何度も味わい、欲が出た事で、
彼はあの瞬間、
自分たちがこれまでやってきた“なぁなぁ”な野球に対する不満を、
その象徴であるタイさんにぶつけてしまった感も
あるように思えました。

でも、本気で「勝ちたい!」と望み、
自分の駄目な部分も理解して、
「もっと練習しておけば良かったな」と思って高校野球を終えるのは
そう悪くないと思います。
この“おお振り”では、そういう子はあまりいないですが、
現実では、自分の駄目な部分すらよく分からず、
未練もなく高校野球を卒業する子は決して少なくないので……。
後悔できるほど真剣に野球をやれた試合が一つでもあった事は、
球児にとって、その後の大きな心の財産になると思います。



さて、花井くん。
モモカンからプレッシャーを掛けられただけでなく、
相当なプレッシャーを自ら背負い込んでいます。
特に、バントに失敗した三橋が、
田島から秘かに「オレが足で挽回してやっから」と
励まされたのを知らずに、
花井は、三橋が自分より田島に期待したと誤解して、
ちょっと拗ねますが……
自分で自分を追い込むだけでなく、
田島に対する三橋の期待を変に受け取って
仮想敵を作っちゃっているあたりが、
普通の精神状態じゃないなと思います。
でもこれは、それだけ“田島は凄い”と
花井が認めていることの証ですよね。

花井に対する課題は、今回だけで終わらず、
彼は今後もモモカンから
当てつけのようにあれこれと指摘されますが、
花井が、自分を田島より下だと認識してしまうのは
無理も無いですよね。
いち読者・いち視聴者である私も、
今のところはそういう認識でいますし。

しかし、前回の感想記事でも書きましたが、
花井には、田島には無理なパワーヒッターへの道が
大きく開けていますので、頑張ってほしいです。
とはいえ、野球で打とうと思って打つのって
バッティングセンターならまだしも、
人が投げる球(しかも、球種もコースも分からない)だと
相当難しいですよね……。

だって、打率の良い選手で、だいたい三割ですよ。
四割打者なんていったら物凄いレベルですが、
それだって、打てる確立が40パーセントです。

以前にも
本誌感想記事で例として挙げた覚えがありますが、
たとえば、天気の降水確率で考えてみると、
降水確率30パーセントぐらいなら、
傘を持っていくかどうかで悩んだり、
「多分、雨は降らないよね」と言いたくなる数字ですよね。
で、野球の話に戻しますと、三割打者って、
その状況で、雨が降る確立の数字と同じなんです。
つまり、打てる打てないで言ったら、
打てない可能性の方が断然高いわけです。
野球の試合で言えば、一打席でも多く打てたら
打率の数字は大きく変わります。

で、今の花井だと、
打てる打てないはその時の状況に大きく左右されるので
不確定要素が満載なわけですが、
田島は、確実に打てる子なんですよね。
田島が打てないのは、彼が駄目なのではなくて
相手の投手や野手を褒めるしかないというレベル。
なので、花井が進んでいる道
(モモカンが花井を進ませようとしている道)は
茨の道で、歩くのですら大変で、
一朝一夕で可能になる事ではないのですが、
いつかはそうなってくれるんだろうなぁと
期待しています。
もし、花井が実力で四番打者になった日が来たら
私は泣いてしまいそうですww



長くなりましたが、その他について。
今回は、泉君がスイッチヒッターになってみたり、
阿部父が初登場したり、
上記の三橋の期待に応えて、田島が足で本当に挽回しちゃったり……と
ちょこちょこと面白い見せ場がありました。
特に、最後の田島については、
今回、モモカンから怒られた事を
次回の田島が復唱するかと思うと、今から楽しみです。
(カットされませんように!!)

それと、西浦の次の次の試合のキーマンとなる
ロカさん(仲沢呂佳)が再登場しました……。
私はロカさんを苦手としていますので、
(そして、ここで彼が登場するのをすっかり忘れていたので)
彼の姿を見た時は「あー……」と
テンションが下がってしまいました。

次回で崎玉戦が終わりのようですが、
試合終了後の電車の中でのエピソードは次回かな?
次々回かな?
こちらでも、阿部と三橋が頑張って会話をしているので
カットされないでほしいなぁと思っています。





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posted by さくら at 22:53| Comment(0) | おお振り:アニメ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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