今回は第20話「うつりゆく音」です。
前作の漫画は未読です。ネタバレを含みます。
前回の第19話「涙の池」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-08-07-4
各回の感想は、下記の一覧ページにてURLをまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-06-01-9────
最初と最後のエリオット関係のエピソードはともかく
それ以外は完全な息抜き話なので
最後まで楽しく見る事ができました。
まずは、そのエリオット。
オズの妹であるエイダやギルバートに対する態度からして
エリオットが持つ他家への憎悪
(ねじまがったライバル心?)はかなり強いようですが
彼に限らず、他家に対する感情って
こんなに荒々しいものなんでしょうか。
オズを始めとするベザリウス家の人々が、総じて温厚なので、
これまでの私は、こういう事にあまり気が向かなかったのですが、
エイダに対するエリオットの態度は酷いと思いましたし、
エリオットを見た瞬間のギルの驚き方や、
逆にギルを見たエリオットの好戦的な態度は、
エリオット自身が「馬鹿」というのを差し引いても
ちょっと過剰だなと思いました。
というか、私、バスヴィカル家だけが浮いていて
他の家は同盟を組むような間柄だと思っていたので、
根本的なところで勘違いをしていたんですね、多分……。
それぞれの家は、自分の家を一番としているので
とりあえず表面は平穏を保っているけれど
裏では家同士で
探りを入れたり駆け引きをしたりしているのでしょうか。
ただ、良かったと思ったのは、
オズが、オズ=ベザリウスだとエリオットに知られる前に
とりあえずの関係を彼と成していた事です。
もし二人が出会った早々に
エリオットにオズの正体がバレていたら、
それこそエイダのように
二人は会話すらまともに成り立たなかったと思います。
でもエリオットが
オズ自身は悪いヤツではないとの認識を持った上で、
彼の正体を知った事が
今回は上手く働いたようです。
エリオットの中では、
十年前に死んだ人間と同じ名を持つ者として
オズへの疑念は拭えないものの、
エイダに対してあるような嫌悪感は無いようで
私はホッとしました。
最後に出てきたエリオットの悪夢は……
彼は「見たくない夢」としていましたが
あれはきっと現実の一部分ですよね。
エリオットが体験したのか、
それとも、彼の祖先が見聞きしたものを
彼が見せられているのか──辺りでしょうか。
そして、あれもサブリエの悲劇の一端なのでしょうか。
さて、その後のお話。
今回は、“シャロンお嬢様が最強”であるのが
テーマだったと思います。
シャロンちゃん強いぃぃぃぃぃぃ。
さすがのブレイクも負けっぱなしでした。
アリスに「シャロンお姉様」と無理に呼ばせて恍惚となったり、
物語としてよく読んできた恋の悩みに、
今のアリスが襲われていると知って、
喜々として協力を申し出たり──たかがキスで動じたりと、
シャロンの女の子としての魅力がいっぱい出ていました。
シャロン、かわいかったなぁ。
今回は、演出方法が漫画ちっくで、
擬音後や擬態語の他、ツッコミの言葉まで
やたらと文字で表わされているのが気になりましたが、
それ以外は好きでした。
皆が“アルコールが入ったジュース”を呑んだ後の展開も
多々笑わせてもらいました。
特に、怯えるメイドさんに向かって
アリスとギルバートがろれつの回らない口で
やんやと文句を言うシーン。
メイドさんが可哀相だと思いつつも、
それに気付かずに二人がひたすら喋っているのが
かわいくてかわいくて、たまりませんでした。
しかも、一人だけ平気なオズが
メイドさんをそっと救出した後、
本来の“口撃”の相手であるアリスとギルを向かい合わせたシーンは
爆笑してしまいました。
いいよいいよー。
「オズは自分のもの」と主張して
アリスとギルバートが彼の両手を引っ張るのも
大変良かったです。
どうせなら、最後に
“先に離した方が、オズをより好きである”という
お約束の展開にしてほしかったですw
最後に、酔った振りをするブレイクを
オズが指摘していましたが
私からすれば、
この状況で酔えない者は損しているなと思いました。
それこそ、心に痛みを抱えているらしいブレイクこそ、
酒の力を借りて、他愛ない仲間たちと
くだらない事で騒ぐ事が必要だと思いましたが
彼はそれができないんですから……。
でも、そうだからこそ、
同じように酔えなかったオズとの会話を持てたので
ブレイクは、ちょっとだけ救われたかもしれません。


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感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。
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続きの第21話「純白のくろ」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-08-28-3
宜しければ、合わせてどうぞ。